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資格勉強でラインマーカーを引いてはいけないのか?線引きの効果と意味

独学や通信に限らず、資格試験の勉強ではカラフルなラインマーカーを引く人が多いですよね。

特に独学で勉強を始めたときにありがちなのが、1回目の読み込みで重要でないポイントにラインマーカーを引いて、後からどんどんラインマーカーだらけになって、結局、どこが重要かわからなくなってしまう失敗はよくあります。

一度、線を引くと修正は手間がかかりますし、貴重な勉強時間をラインマーカーと格闘して消耗するだけになってしまうので、注意したいところです。

下記に、簡単にラインマーカーの意義について調べてみたのでよかったら参考にしてください。

目次

ラインマーカーを使うと授業の記憶は定着するのか?

だいたいの資格予備校でも、講師の指示した場所にラインマーカーを引きますが、

「その作業に意味はあるの?」と思う人も多いと思います。

科学的には、授業中にラインマーカーを引くだけでは、勉強の効果は限定的とされています。

あくまで、ラインマーカーは補助的なツールで、それ自体に記憶力向上の効果はあまりないと考えられています。

ラインマーカーはただの作業

ラインマーカーを引いてはいけない理由としては、脳への認知処理がされないからです。

認知的処理とは、簡単にいうと内容の意味を考えて記憶に刻み込む処理です。本来、脳は意味付けや関連づけすることで長期記憶になるため、機械的な反復作業は記憶に適していません。

記憶のパフォーマンスを高めるには、意味がある精緻な処理(関連付け)を行うことが、記憶の定着と想起をしないと意味がないからです。

というわけで、マーカーを引いた教科書を見返すと勉強した気になってしまいますが、実際は、勉強しているわけではなく、作業をしただけなので、脳は授業の内容をあまり覚えていないということです。

なので、授業後または翌日に必ず復習をしないと、授業の受けたこと自体意味がなくなってしまいます。

同じ理屈で、講師の話を聞いてパソコンでタイピングしてメモを取るのも同じですね。(考えてメモを取ることはOK)

ラインマーカーで線を引く意味はあるの?

ラインマーカーは、完全に意味がないわけではなく、いくつかのメリットもあります。

重要な情報の強調

色を付けることで、復習時に重要語句の見分けがつきやすくなります。

特に、キーワードとその理由のように2色で色を分けて線を引いておくと、キーワードと理由づけが結びつくので、復習時に理解が深まります。

構造の可視化

他にも、問題提起している論点の部分に1色目、その論点に対する答えに2色目のラインを引くと、問題とその答えが対応づけられるので、理解が深まります。

ラインマーカーは使い方を工夫することで、重要ポイントが目立ち、復習時に内容を思い出しやすくなるというわけです。

また、色は記憶のトリガーになるので、記憶の定着のきっかけにもなる点、能動的な姿勢になるので、授業を聞いてるだけよりは集中を促してくれる点があります。

ただラインを引くこと自体に意味はないので、内容理解を伴わないとかえって記憶の定着を妨げる可能性もあることに注意しましょう。

ラインマーカーの心理的な効果

ラインマーカーには心理的な効果もあります。

青色、水色の効果

  • 青色には集中力を高め、冷静さを保つ効果
  • 心をリラックスさせ、長時間の集中学習に向いている
  • 記憶力アップにも効果がある

緑色

  • 青色と同様に集中力アップやリラックス効果が期待できる
  • 目の疲れを和らげ、長時間の学習に良い

赤色、ピンク色

赤やピンク、オレンジなどの暖色系は注意をひきつける効果はありますが、興奮作用が強いため集中力が続きにくいです。

あまり多用はしないで、特に重要な箇所を目立たせるために部分的に使うのがおすすめです。

また、色数はなるべく絞ったほうが効果的です。マーカーを使いすぎると、かえって見づらくなり効果が薄れてしまうからです。

できれば、2〜3色程度に抑え、それぞれの色に役割を決めて使い分けるとよいですね。例えば、重要語句とその説明文で色を変えたり、授業で習ったことと自分で重要だと思ったことで色分けしましょう。

アメリカで働く医師の方が書いた、科学的根拠に基づく最高の勉強法にもそのあたりのことが書かれているので、おすすめです。

著:安川 康介
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