建設現場ではDX化が叫ばれており、ドローンの活用事例も増えてきています。

人員や予算の面から大企業でしか導入はまだ難しいですが、将来的にドローンが安価になりパイロットが増えてくれば、個人のとび職人がドローンを使って点検をすることも考えられます。
今回は、ドローンのニュースから建設業界の事例をまとめてみました。よかったら参考にしてください。
ドローンによる建設現場の効率化とコスト削減
ドローンが建設業界に向いている理由は、現場の安全確保と労働力不足の解消が大きいです。特に日本は高齢化が進み、若い人が現場での労働を嫌がるため人手不足に悩まされています。
ドローンであれば、肉体労働は不要なので体力や力はさほど問題になりません。また、ドローンを使う事で目視よりも細かい亀裂などを見つけられるため作業精度も向上します。
国土交通省は、建設業界における人手不足解消策として、「働き方改革加速化プログラム」を展開しています。このプログラムでは、工期に余裕をもたせることが推奨されています。また、省工数化工法による労務費の削減も図られています
https://workstyle.ricoh.co.jp/article/architecture-shorthanded.html
高精度なドローン測量が可能
ドローン測量は、高精度な測量が可能です。従来の測量方法では、地形や建物の高さなどを正確に測定することが難しかったり、時間がかかったりしました。しかし、ドローンを使用することで、高精度かつ迅速な測量が可能になります。現在、地上レーザー測量は50m地点における座標精度が3mm-5mmと非常に高精度で、ピンポイントの測量が可能です。
建設業界におけるドローンの活用事例は、以下のようなものがあります。大成建設はドローンで空撮した写真データから盛り土の3Dモデルを自動作成し、土量計算を行いました
http://www.kensetsu-plaza.com/kiji/post/13925
ドローンによる作業時間の短縮
ドローン測量は、従来の測量方法に比べて作業時間を短縮することができます。ドローンを使用することで、建設現場の全体像を短時間で把握することができます。国土交通省が掲げる建設現場におけるICTの全面的な活用にはドローンが必須になってきます。
ドローンによる人的コスト削減
ドローン測量は、従来の測量方法に比べてコストを削減することができます。従来の測量方法では、測量士が現場に出向く必要があり、そのための交通費や宿泊費がかかりました。しかし、ドローンを使用することで、測量士が現場に出向く必要がなくなり、交通費や宿泊費を削減することができます。
ドローンによる安全性の向上
ドローン測量は、建設現場の安全性を向上させることができます。従来の測量方法では、高所や危険な場所に測量士が出向く必要があり、事故のリスクがありました。しかし、ドローンを使用することで、測量士が高所や危険な場所に出向く必要がなくなり、安全性を向上させることができます。
厚生労働省の調査によると、建設業における労災事故の死傷者数は年間約1万6,000名で、全9種類の産業のうち、4番目に多いことがわかっています。2021年に建設業で発生した労災の中で最も多かった事故原因は墜落・転落で4,869件でした。次いで多かったのは、はさまれ・巻き込まれの1,676件。僅差で転倒の1,666件が続いています。
高所作業が多い建設業ならではの傾向と言えます。全産業の労災原因で最も多かった事故原因は転倒で、33,672件でした。次いで墜落・転落が21,286件、動作の反動・無理な動作が20,777件と続いています。また、厚生労働省によると、2021年の熱中症の死傷者数は128名でした。製造業の死傷者数が85名だったことを考えると、建設現場でも夏場における熱中症対策が必要だと言えます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000207439.html
ドローンの種類と選び方
以下に、価格と性能のバランスが良いとされるおすすめのドローン機種をいくつか紹介します。
- DJI Phantom 4 RTK: 測量用途に特化した高性能なドローンで、リアルタイムキネマティック (RTK) 技術を採用しています。高精度の地形情報取得が可能で、専用ソフトウェアとの連携にも優れています。
- Parrot Anafi USA: 軽量でコンパクトながら、高性能カメラやズーム機能を搭載しており、建設現場での監視・報告に適しています。さらに、耐候性にも優れています。
- Autel Robotics EVO II: 長時間飛行が可能で、安定した飛行性能を持つドローンです。高解像度のカメラが搭載されており、建設現場での測量や監視に適した機種です。
- senseFly eBee X: 測量用途に特化し、長時間飛行が可能で広範囲の地形情報を効率的に収集できます。高精度なGPS機能や自動飛行機能も搭載しており、測量作業に最適です。
ドローン機体名 | ドローンメーカー | 全長 | 重さ | バッテリー時間 | 料金(万円) |
---|---|---|---|---|---|
DJI Matrice 300 RTK | DJI | 88.3 cm | 3.6 kg | 最大55分 | 約150万円 |
DJI Phantom 4 RTK | DJI | 35 cm | 1.4 kg | 最大30分 | 約50万円 |
Yuneec H520 | Yuneec | 52 cm | 1.6 kg | 最大28分 | 約40万円 |
Parrot Anafi USA | Parrot | 32.4 cm | 0.7 kg | 最大32分 | 約30万円 |
Autel Robotics EVO II Dual | Autel Robotics | 43.2 cm | 1.1 kg | 最大40分 | 約40万円 |
センサーに特化していて障害物の回避に優れたるSkydio2という機体もあります。
こちらは、カルフォルニア州に本社があるskydio社の機体でNTTドコモやNTT東日本グループも利用しています。
自動飛行が前提なので、扱いやすそうです。
1.https://www.docomosky.jp/skydio/skydio2
2.https://www.nttedt.co.jp/skydio
純国産のドローンを作ってる技術者もいます。リベラウェアという会社さんで技術力は高そうです。
マイクロドローンに似た極小のドローンIBISを作っていて、プラントや建設現場で活躍するとのこと。LED付きで狭くて暗いところなどが得意なドローンのようですね。
ドローンの操作に必要な資格と許可
建設現場でドローンを使用するには、航空法に基づく運航許可が必要です。運航許可を取得するには、ドローンの操作に必要な資格を取得することが必要です。
ドローンの操作に必要な資格には、日本航空協会が認定する「ドローン操縦士資格」や、国土交通省が認定する「特定無人航空機操縦士資格」があります。これらの資格を取得するには、講習や試験を受ける必要があります。
また、運航許可を取得するには、ドローンの機体や機能、運用計画などを国土交通省に申請する必要があります。

建設現場でドローンを使用する際には、万が一の事故に備えて保険に加入することが重要です。ドローンの保険には、機体保険や第三者賠償責任保険などがあります。機体保険は、ドローンの機体や機器に対する損害を補償する保険で、第三者賠償責任保険は、ドローンが原因で第三者に損害を与えた場合に、その損害を補償する保険です。
ドローンを開発している会社(建設業界向け)
Skycatch社(カリフォルニア州 サンフランシスコのソフトウェア企業)
Skycatchは、ドローンを利用した地形測量や3Dマッピングテクノロジーサービスを提供している企業です。Skycatchは、建設現場の効率化を目的として、コマツとも事業提携しています。また、DJIとも提携し、コマツのスマートコンストラクション事業においてドローンを活用した測量及び測量データのソフトウェアを提供しています。Skycatchは、ドローンによる空撮データの自動化キャプチャ、処理、可視化、分析ツールなどを提供しています。
Kespry社(カリフォルニア州 メンローパークのソフトウェア企業)
Kespryは、ドローンを使用した産業用のデータ分析プラットフォームを提供しています。Kespryのドローンによる空撮技術は、企業がビジネスに関する洞察を収集、分析、共有する方法を変革することができます。Kespryは、鉱業、建設、保険、屋根工事などの産業で使用されています。また、Kespryは英伟人工智能技術を採用した無人機原型も開発しており、物体認識などに活用されています。
DJI社
DJIは、中国の深センに本社を置くドローンメーカーであり、一般向けのドローン市場において約7割のシェアを占めています。DJIは、民生用ドローン(マルチコプター)およびその関連機器の製造会社であり、Mavic 3 Classic、Mini 3 Pro、Air 2S、Phantomなどの一般向けドローンを提供しています。DJIは世界最大手のドローンメーカーであり、欧米企業を超えて市場を独占する背景があるとされています。
PrecisionHawk社
PrecisionHawkは、エネルギー、農業、通信などの分野でドローンおよびUAVリモートセンシングアプリケーションとデータ処理サービスを提供している企業です。PrecisionHawkのドローン業務ソリューションは、最先端の3D空中測量・精密農業に使用されています。また、PrecisionHawkは米国のドローン企業の一つであり、トランプ大統領が新技術に関する会合で同社を含む複数のドローン企業と会合を持ったことが報じられています
ドローンによる建設業界の活用事例
ドローンの大規模土木工事などでは、ドローンによる施工管理(定点観測)が導入されています。また、ドローンを使って現場の空撮から3D点群データ作成、そして土量計算までを行うシステムもあります。清水建設株式会社による大規模交差点改良工事の現場でもドローンが活用されました。他にも、高層ビルやダム、トンネル、橋梁などの進捗状況を確認するためにドローンが使われています。
道路工事
ドローンは、道路工事においても活用されています。国土交通省のドローン活用事例では、道路局がドローンを使って旧工事の実施やインフラ整備の推進に貢献していることが紹介されています。
また、ドローンを使って道路工事や造成工事などの切り土、盛り土の度量計算を行うこともできます。建設業界でも、ドローンによる現場の空撮から3D点群データ作成までを行えるシステムが導入されており、その中には道路工事現場でも利用可能なものがあります。
河川改修工事
河川改修工事においても、ドローンが活用されています。藤沢市では、境川河川改修工事の竣工検査用にドローン空撮を行っています。また、国土交通省ではAIによる画像解析技術を活用し、河川空間管理や構造物点検等の高度化・効率化を図っています。三東工業社は日野川広域河川改修工事でドローンによる測量を行っています
建設現場の監視
建設現場では、施工状況や安全管理などを監視する必要があります。ドローンを使用することで、建設現場全体を俯瞰することができ、施工状況や安全管理を効率的に行うことができます。
KDDIスマートドローンと飛島建設は、充電ポート付きドローン「G6.0&NEST」を使って建設工事現場での監視業務を自動化する検証を行いました。このドローンは、自動で遠隔飛行し、クラウドにアップロードされた空撮映像を利用して建設現場の監視ができます。さらには、このドローンは3Dモデリング化技術も備えており、効率化・省力化にも貢献しています。
建物の外観調査
ドローンは、建物の外観調査にも活用されています。神奈川建物リサーチ・センターでは、ドローンを使って広範囲での外壁調査を行っています。また、定期報告制度における赤外線調査による外壁調査ガイドラインには、ドローンを含めた点検・調査が含まれています
建設物の3Dモデリング
ドローンは、建設物の3Dモデリングにも活用されています。小型ドローンを使って建築物の周辺環境までモデリングし、角度を自由に変えられることができます。また、ドローンで連続写真を撮影して既存の工場やビル、社屋や店舗の3Dモデリングを行うこともできます。
さらに、銅像や建物の3D化もドローンを使って行われています。清水建設は、ドローン計測による画像情報から高精度3次元モデルを形成するシステムを開発しており、インフラ構造物の高精度3Dモデル形成に取り組んでいます。
道路や橋梁の点検
ドローンは、道路や橋梁の点検にも活用されています。ドローンによる橋梁点検では、天候などの環境に左右されやすいという課題がありますが、プログラムされたドローンは自動で航行し、点検必要箇所の撮影を行うことができます。また、国土交通省でもドローンを使った点検業務を推進しており、道路やトンネルの定期点検要領にも取り入れられています。
ドローンを活用するための建設現場の準備
ドローンを建設現場で活用するためには、以下のような準備が必要です。
ドローンを安全に運用するためには、離着陸場所が必要です。建設現場では、作業員や重機が動き回るため、ドローンの飛行に適した場所を確保する必要があります。また、離着陸場所には、ドローンが衝突した場合に備えて、クッション材やバリケードなどの安全対策も必要です。
ドローンは、バッテリーで動作するため、充電場所が必要です。建設現場では、電源が確保されている場所を選定し、充電ステーションを設置する必要があります。また、充電ステーションには、ドローンのバッテリーを交換するためのスペースも必要です。
ドローンを運用するためには、適切な人員が必要です。建設現場では、ドローンの操縦士やメンテナンス担当者、データ解析担当者などが必要です。また、ドローンを運用するためには、適切な訓練を受けた人員が必要です。建設現場では、ドローンの運用に必要な人員を確保し、適切な訓練を行うことが重要です。