辰已法律研究所で司法書士の専任講師をやっている松本雅典先生の司法書士講座です。リアリスティックシリーズの本は、独学の受験者でも使っている人が多く、わかりやすいと評判ですね。辰已法律研究所は、個性豊かな先生が多いということで、司法書士の海老澤毅講師も人気だったようですが講義が見当たりませんでした。
ちなみに、私が松本先生を知ったのは、youtubeと司法書士5ヶ月合格法という本です。
司法書士試験の勉強時間は、通常3000時間~5000時間かかります。
それをこんな短時間で本当に合格できるのか?と半信半疑で調べました。しかし、この本を読み勧めていくと緻密な思考法に興味を持ちなるほど!と思いました。

松本雅典先生のプロフィール
まず驚いたのが松本雅典先生の年齢が若いこと。昭和61年生まれなので2022年で36才です。
しかも24歳で司法書士に合格していますね。高校を中退したなどのエピソードも本に書かれていましたが、難関資格を取得できたのは、努力の結果だと思います。(書籍には床がすり減るまで同じ場所で勉強していた写真も掲載されています)
ただ、勉強時間が1日17時間、長い日だと20時間だったという事で松本先生自身も異常すぎたので真似しなくて良いですといっていましたw
2010年11月 5か月の学習期間で司法書士試験合格(受験回数1回)
2010年12月 宅建試験(現在は宅建士試験)合格(受験回数1回)
2011年1月 行政書士試験合格(受験回数1回)
2011年6月 司法書士試験講師に~現在
2011年9月 簡裁訴訟代理等能力認定(受験回数1回)
2012年5月 リアリスティック一発合格松本基礎講座を担当開始~現在(2023年度向けで11年目)
引用:https://sihousyosisikenn.jp/8698159-2

司法書士の塾講師になった経緯は、就職予定だった司法書士事務所の採用が東日本大震災で取り消しになってしまい、その後、辰巳の先生に声をかけられ、たまたま人前で講義をやったら意外と喋れたと言う事で塾講師になったそうです。
松本雅典先生のリアリスティック一発合格講座の合格者数
司法書士の塾で大事になるのが合格実績ですね。
どんなにわかりやすくても実績が伴わないと机上の空論になってしまいますが、松本先生の司法書士講座は、直近2年度連続で20名以上、直近6年度連続で2桁という実績を叩き出しています。
実際の合格者数:24名(2021年度)・25名(2020年度)
合格体験談、短期合格者の奇跡、合格者の声動画
ただ、受講者数は記載されてなかったので母数は不明です。各予備校が出す合格率は基準がわからないので他と比較は難しいですね。
通常の基礎講座の合格者数はほとんどが1桁,講座によっては0名ですが,私のところにご報告を頂いた本講座出身の合格者の方の数は,直近2年度連続で20名以上,直近6年度連続で2桁です。 ほとんどの基礎講座が合格者数を公表しないため推測になってしまいますが,これだけの合格実績の出ている基礎講座はほとんどないと思われます。 一発合格(ex. 7か月半合格,9か月半合格,働きながら1年2か月合格)の方など短期合格の方だけでなく,複数回の受験経験のある方もいらっしゃいます。
引用:「2023年度向けリアリスティック一発合格松本基礎講座」リリース
これだけ合格者が多いので受講すれば合格する!と思いがちですが、司法書士は、11分野もあり教科書にすると合計4000ページ程度あります。そのため3分の1ぐらいは、途中で挫折して勉強をやめてしまうとか。
松本先生の講義でも8ヶ月講座と20ヶ月講座がありますが、20ヶ月ずっと司法書士の勉強をするのも忍耐が必要そうです。
また、リアリスティック講座で一発合格する人の勉強時間は意外にも3,000時間以下になっています。2000時間程度の勉強時間で合格できている人もいるとのことで、一般で言われている司法書士の勉強時間と辰巳のカリキュラムでは勉強方法による差が大きそうです。
実際に、働きながら一発合格される方はいらっしゃいます。働きながら一発合格される方のほとんどは、3000時間確保できていません。2000時間程度の勉強時間で合格する方がほとんどです。つまり、効率の良い学習をすれば、司法書士試験は2000時間程度の勉強時間で合格できる試験なのです。
引用:司法書士試験 合格に必要な勉強時間の目安とは? [司法書士試験] All About
松本雅典先生のリアリスティック一発合格講座の口コミ
Twitterで検索したところ、司法書士の受験者数の母数が少ないのもあり口コミはありませんでした。
実際の合格者の方々の口コミは、youtubebの辰巳研究所にいくつかあり勉強法や勉強時間など参考になりますね。
テキストを回すスピード:1時間に30~40ページで雑にならないように飛ばさず読み込む
・テキストを印刷して講義を聞いてなぐり書きをして次の日に清書してアウトプットをした
・エビングハウスの忘却曲線にしたがって2週間後、1ヶ月後、2ヶ月後で実践していた。スマホカレンダーを活用して習慣化して続ける。(エビングハウスは管理が難しいので実践は難しいという人が多い)
・直前期は松本先生のカレンダーを活用して勉強。(削るものを相談した)
勉強は声に出して読む。お風呂でも勉強。
エビングハウスについては、復習タイミングは人によって違いますが、他にも「翌日、1週間後、2週間後、1ヶ月後」のような人もいます。エビングハウスの暗記法で再学習コストの負担を減らすことができます。
平日は2-3時間、休日は6-8時間。試験日までは平日も6-8時間の勉強時間
講義を聞くのがギリギリで復習ができないところが多かった。
8割はテキストで勉強で過去問は1周程度しかできなかった
立って勉強した。
過去問は平成15年度以降1回程度といた。年度別過去問5年分やった。
(平成桁台だと文章が短いためやらなかった)
テキストの読み方は松本先生の基本通り。苦手なところをよく読む
直前期は1時間に50ページ目標にしてやっていた
他にもブログで感想を書いている人が何人かいましたが、特に悪いという評判はありませんでした。
結局は、講師が合う合わないは人それぞれなので、自分が良いと思ったらGOという感じかと思います。
司法書士試験の通信講座にかかる料金
松本先生の司法書士講座に限らず、司法書士の資格試験は料金が高いです。だいたい40万~50万が相場ですね。
お金がもったいないから独学で行く人も多いですが、司法書士試験は、挫折が多いので身銭を切って講座を受けたほうがお金を無駄にしたくないという気持ちも働くのでやる気が出やすいです。資格試験に初挑戦の人は、まずは自分を追い込んでから後戻りできないようにしていくのもアリだと思います。
司法書士の通信講座はいろいろあるので簡単にまとめてみました。司法書士試験は値段も高いですし講師との相性はわりと大事かと思います。
リアリスティック以外にも、伊藤塾やオートマシステムで有名な山本浩司先生のTAC講座などがあるので、どの講義が自分には合うのかはじっくり調べましょう。
どんな良い講義でもやはり先生との相性は大事です。
司法書士通信講座 | 講義時間 | |
---|---|---|
伊藤塾スタンダード講座 | 399時間 | 476,000円 |
TACの山本浩司オートマ1年総合本科生 | 501時間 | 465,000円 |
リアリスティック・フルパック(8ヶ月、20ヶ月) | 372時間 | 462,100円 |
スタディング 司法書士 総合コース | 150時間 +記述式27時間 | 99,000円 |
講義時間については、予備校はクレーム防止のために全ての範囲を詰め込む傾向にあります。また、講師の話の速度や話し方によっても講義時間は変わってくるので比較対象としては参考になるかわかりませんが、一応入れてみました。
中でも、スタディングは安くてお手頃価格ですね。
私もスタディングは他の試験で使ってましたがシステムが使いやすいのと、エビングハウスの忘却曲線を取り入れた復習用のAIシステムが最近できたので完全独学に良い教材だと思います。
司法書士の場合は、記述式はスタディングだけだと厳しいですが、1問1答と過去問を解くのに便利なので、サブ教材として使うのはアリですね。
リアリスティックの勉強法&暗記法
松本先生の書籍や動画を見ると、色々な勉強法を取り入れて効率良い勉強法の最適解を導いている印象です。
宅建レベルなら過去問を3回程度回せば暗記できますが、司法書士の試験は11分野もあり膨大です。過去問を回すだけで全てを暗記できませんし、応用問題が来たら解けません。
松本先生のやり方では、過去問以上にテキストの読み込み&理解&暗記が大事ということで、テキストを読みながら何度も内容を想起させて思い出しながら記憶に定着させる方法をとっています。
そして、リコレクト法という記憶した情報をスムーズに思い出すテクニックをいくつか使って、頭の中を整理して知識を引き出せるようにトレーニングしていく感じですね。
- 算数的Recollect法
- Relating・Recollect法
- ゴロ合わせ・替え歌Recollect法
- こじつけRecollect法
- 漢字Recollect法
- 知り合い当てはめRecollect法
- 斜線Recollect法
他に変わったところだと、シャドウイングの教材もあります。英語だとありますが資格試験の教材としては珍しい気もします。授業を受ける前のガイダンスで効果的な授業の受け方も参考になります。
私が提唱している「情報の一元化ではなく検索先の一元化」「アウトプットの最高の教材はテキスト」「カコ問を何回も回すという方法ではなく、よりレベルの高いアウトプットをする」「条文・記述の申請書は、シャドウイング・音読学習法で」等といった 正しい勉強法を採れば、特別な能力がなくても、働きながらであったとしても一発合格が可能です。
引用:TOP – 司法書士試験リアリスティック一発合格松本基礎講座
赤青緑マーカーの線の引き方
こちらのリアリスティック民法導入講義で赤青緑のマーカーラインの引き方を指導しています。
赤:結論部分(ポイントを記憶するので大事)
青:理由、趣旨(法律がなんでできたのか?などで試験には基本でない)
緑:複数の知識に関係するもの(条文判断などに使用するなど重要なので記憶する)
黒:試験にでないもの
記憶するときは、暗記ペンで引いてシートで隠して覚えると効果的です。文章の中で穴埋め部分は記憶に定着しやすいという研究もあります。
穴埋めのテストを通して、エラーをしたり、推測したりして、正しい結果を得た後に修正するというメタ認知の行為(自分自身の思考について思考する行為)が働き、そのプロセスが記憶には効果的であるということを示しています。
引用:記憶のメカニズムを利用した効果的な勉強法|Kodai Kusano|note




サポート体制
勉強でわからなかった点について、サポートにメール相談受付システムがありますが、24時間対応でどんな質問でも答えてくれるのがいいですね。回答も早いとのことです。以前は、松本先生が直接答えていたそうですが今はスタッフが答えているという書き込みもみたので現在は定かではありません。
リアリスティックの書籍も2021年に全シリーズが完成していて、一括講座に申し込めば全巻送られてくるそうです。
リアリスティック一発合格講座8ヶ月合格コース


このスケジュールだけを見るとえっ?過去問を解かずにインプットだけで大丈夫なのかな?と思ったのですが、よくよくガイダンスを見てみると、インプットだけではありませんでした。「予習→講義→復習」という流れですね。予習があるところも記憶定着のポイントです。
ただ、さすが司法書士の勉強。
8ヶ月合格コースの場合は一週間で34~40時間の勉強が必要になり、なかなかハードな一週間スケジュールです。家族や子供がいて、仕事をしながらだとかなりキツそうです・・・。
下記は8ヶ月コースで「9or10月開始→4月中旬基礎完了→7月まで復習回し」のモデルスケジュールです。
下記1コマの勉強時間を一週間に4コマ(週34~40時間)
1コマの流れ
1.予習:10分
2.講義視聴:3時間20分
3.テキスト復習イン:2時間
4.過去問:2時間
5.テキスト復習アウト:1時間
6.追っかけ復習:余った時間
合計:8時間30分
引用:https://www.youtube.com/watch?v=IoNPp13g_NA
専業か集中力が高い人向けです。
リアリスティック一発合格講座20ヶ月合格コース
松本先生もおっしゃっていましたが、兼業の人は20ヶ月コースのほうが良いかと思います。
20ヶ月の「10月開始→翌年の12月基礎完了→7月まで復習回し」のスケジュールです。
最後の6ヶ月でテキストを7~8回まわして、過去問を2.5回まわし、答練もやる感じになってます。


こちらは10月ぐらいから始めて20ヶ月の勉強期間を想定したパターンですが、一週間に2コマ=一週間に20~25時間の勉強時間確保ですみます。
1日平均して3時間~3.5時間ですね。これを20ヶ月継続するなら兼業でもなんとかできそうです。
下記動画で詳細を解説しているのでご参考ください。2つありますが、年度が違うだけで内容は同じです。
詳しくは、特設ページにまとまっているのでご参考下さい。



ちなみに、司法書士は、行政書士の試験範囲がかぶっているので、行政法だけ勉強して4ヶ月後に行政書士を受験して合格することも可能と聞きました。松本先生も含め、多くの司法書士合格者が言うのは「行政書士と司法書士を取る前提なら「司法書士→行政書士」の順番で受けたほうが効率は良い」という点です。
その他の司法書士試験の講座についてはこちらにまとめました。よかったらご参考ください。
Googleで検索すると「松本雅典 結婚」と出ていたので調べてみたら最近ご結婚されたようです。以前「今年の目標に結婚すること」とツイートしていたので、タイミングの話だったんですかね。
塾の先生って仕事漬けですから、結婚式をあげるのも大変そうです。おめでとうございます!