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最高裁判所大法廷へ行ってきました。法曹会館ランチ~憲政記念館見学など

一票の格差の裁判について、最高裁判所へ判決を聞きに行きました。

10年に1度の大寒波に見舞われ天気が心配でしたが有難いことに快晴🌞

最高裁に行く前に、ぶらっと周辺を散策もできました。

法曹会館レストラン「マロニエ」でランチ

判決は午後なので、前から行きたかった法曹会館でランチをしました。

日比谷側から向かうと、日比谷公園を超えた先にある「司法界の社交場」(←公式HPにある言葉です)が、法曹会館です。

弁護士、裁判官、検察官など司法界の方たちの交流場、ということですね。

ただし法曹界会員でない方でも、誰でも利用可能です。(なので自分も入らせてもらいました)

法曹会館マロニエ,ランチ

こちらが法曹会館レストラン「マロニエ」。

文豪、谷崎潤一郎の「細雪」などにも登場するかつての名店「二葉亭」の流れを組むレストランなのだそうです。

この場所でこの価格のランチ。かなり安いのでは?

洋食Bランチ「ビーフカツとカレイのムニエル」

オムライス

美味しかったです!

他に飲み物(コーヒー、アイスウーロン茶、温かいほうじ茶)もついています。(セルフ式)

12時少し前の到着時、お客さんの数は少なかったですが、12時半過ぎると混雑してきました。安くて美味しいですものね。テーブルが広く、3人以上のお客さんの割合が結構多かったように感じました。

お会計は現金払いのみなので、これから行く方は現金を用意しておきましょう。

ぷらっと散策。日本水準原点と三権分立の時計塔

裁判まで時間があったので、少しぶらぶらと。

こちらは永田町の憲政記念館敷地内にある、日本水準原点と日本水準原点標庫(重要文化財指定)

日本水準原点は日本の標高を決める基準点で、石の建物(日本水準原点標庫)の中にあります。

こんな高い場所にあるのに、ここが標高ゼロになるの??と最初、驚きましたが、違っていました。

日本の標高は東京湾平均海水面を基準(標高ゼロメートル)として測られています。たえず変動する海面を平均化したものが日本水準点ですが、水面を基準点とするのは困難なため、東京湾の平均海面を地上に固定するために設けられたのが、日本水準原点なんだとか。

経年変化による高さの変動が生じないように、基礎が地下10mまで達しているようですが、大正時代の関東大震災、平成23年の東北地方太平洋沖地震に伴い、標高に変化があったようです。

現在の日本水準原点の東京湾平均海面からの標高は 24.3900mです。

こちらは立法・行政・司法の三権分立を象徴する三面塔星型の時計です。

時間に厳しかった「憲政の神様」尾崎行雄の業績を称えた尾崎行雄記念館(現、憲政記念館)とともに建てられたもの。

自分は聞けませんでしたが、10:00、13:00、17:00、22:00にチャイムがなるようです。(現在22時のチャイムはなし)

憲政記念館へ

憲政記念館は議会制民主主義について一般の認識を深めることを目的として設立されたもの。

国会の組織や歴史がわかりやすく展示され、国会の本会議場を3/4のスケールで再現した議場体験コーナーもあり、とても面白かったです。模擬国会のような感じで体験されている団体さん(学生さんかな?)がいて、自分もやってみたいと思いました。

この日は一票の格差についての判決を傍聴しに行くので、憲政記念館に展示されていた普通選挙への歩みで、先人たちがどれほど闘ってきたか思い知ると胸にぐっとくるものがありました。

本当はじっくり見たかったのですが、時間が無くなり、施設内見学は10分ちょっと。また日を改めてちゃんと見学したいです。

国会近くの無料施設なので、興味のある方はぜひ。

すぐ近くにお土産屋さんがあり、岸田さんのおまんじゅうなどがありました。自販機のお茶が80円くらいで、安かったです。

最高裁判所へ!

アクセス

最高裁判所へ。霞が関の方からぶらぶらと歩いて行ったのですが、1番近い駅は永田町です。

永田町駅【地下鉄半蔵門線・有楽町線・南北線】
南門・西門まで徒歩約5分
(4番出口から青山通りを三宅坂交差点(東)方向へ,2番出口も同程度)

半蔵門駅【地下鉄半蔵門線】
西門・南門まで徒歩約10分
(1番出口から半蔵門駅前通りを国立劇場(南)方向へ)

国会議事堂前駅 【地下鉄丸ノ内線・千代田線】
南門・西門まで徒歩約15分
(1番出口から国会裏側の通りを国会図書館(北)方向へ)

正門・東門まで徒歩約15分
(2番出口から国会正面側の通りを国会図書館(北)方向へ)

都営バス三宅坂停留所 【都03系統(四谷駅-晴海埠頭)】
正門・東門まで徒歩約2~3分
(三宅坂交差点(南)方向へ)

その他
赤坂見附駅(地下鉄丸ノ内線・銀座線)や桜田門駅(地下鉄有楽町線)からでも徒歩約15分ほど

引用元:https://www.courts.go.jp/saikosai/about/syozai/index.html

傍聴希望者は南門に並ぶ(14:00~14:10抽選予定)

最高裁で傍聴を希望する場合、南門に並ぶ必要があります。

しかし、石の要塞のような最高裁判所の周辺を歩いても、南門がどこかわからずウロウロ

すると、裁判に出廷される原告の弁護団の方々が写真撮影している場面に出会いました。

去年10月の参議院選選挙無効請求事件の判決言い渡しでも、お見かけした升永弁護士、伊藤塾塾長、伊藤真弁護士の姿も。

投票価値の平等を訴える精力的な活動に頭が下がります。

上記写真は三宅坂小公園の広場スペース前。最高裁判所の敷地の南東角にあたります。

写真には写していませんが、この写真の右手側には報道陣がずらっと並んでいました。夜のニュースで弁護団たちの歩く様子がニュースで放映されていたので、この後、撮影されたのでしょう。

警備員さんに南門の場所を聞いたところ、反対側であることが判明。小走りしながら向かうと、傍聴券を求める列がすでに出来ていました。

指示に従ってすすみ、南門に入ると一切の写真撮影が禁止されます。

入る直前までであれば撮影はOK。

敷地に入る際に整理券を受け取り待機します。

見学予定の裁判は抽選だったのですが、座席数166に対し傍聴希望人数が90人弱だったので、全員見学可能となりました。

整理券と傍聴券を引き換え、グループごとに建物に入ります。

ロッカーがあるので、貴重品、筆記用具以外全てしまうよう指示があります。

筆記用具可能なのは、アメリカ人のレペタさんが法廷でメモをとる権利を主張した裁判があるからですね。レペタ訴訟と呼ばれているものです。

この後、セキュリティーチェックを受け、建物内をすすみます。

トイレに行きたい人は、ここでトイレへ。

東京高裁などが入っている霞が関の裁判所よりも厳格な感じです。高裁ではロッカーに荷物をしまうこともありませんでした。

最高裁判所のテミス像

法廷へ向かう途中、剣を掲げ天秤を持ったテミス像がいました。

テミスは剣と天秤を持つ正義の女神。司法、裁判の公正さを表すシンボルです。

テミス像は、置いている場所により、剣をかかげる/かかげない、目隠しする/目隠ししない、と恰好が異なるのが面白いところ。

最高裁判所のテミス像は、剣を掲げ目隠しをしていない像です。

現在放送中の、ロースクールを題材にした北川景子さん主演のドラマ、女神[テミス]の教室にもタイトルにそのまま登場していますね。

大法廷へ

大法廷に入ると、ずらっと並んだ15席の最高裁裁判官の椅子がまず目に入ります。

最高裁判所では通常、5人ずつの裁判官で構成する3つの小法廷で審理及び裁判が行われますが、判例変更や憲法判断を行うときは大法廷で行わます。

大きな吹き抜けになっている天井からは光が差し、厳かな雰囲気ながら温かみも感じるようなつくりでした。

前後の壁には大きなタペストリーが飾られ、太陽と月が描かれているようです。

判決

正面の扉がすっと開き、15名の最高裁裁判官が入廷してきました。それと同時に全員起立し礼をしたのち、裁判官たちと伴に着席します。

その後2分間、撮影用のカメラがまわり、撮影後、裁判長が判決を言い渡します。

結果、棄却でした。

裁判について簡単にまとめると

・おととし10月の衆議院選挙で1票の格差が最大2.08倍だった

→私の投票の価値は、あなたの投票の価値の半分しかないよってことを意味する

・全国で選挙の無効を求める訴えが起こり、各地の裁判所の判断は「合憲」が9件「違憲状態」が7件

・衆議院選の一票の格差で違憲状態になるか否かは、過去の判例によると1:2辺りが目安

判断日格差判断
2011.3.232.30違憲状態
2013.11.202.43違憲状態
2015.11.252.13違憲状態
2018.12.191.98合憲
2023.1.25(今回)2.08合憲

今回2倍以上の格差があったわけですが、判決を聞くと、最高裁判所は前回選挙にアダムズ方式を取り入れた国会の働きを評価しているようです。

判決内容

  • 格差の開きは人口移動によるもので、他に特別な理由はないこと、格差の開きも著しいとはいえないこと
  • 2016年採用の制度(アダムズ方式)で今後の格差の是正が予定されている

2022年11月、アダムズ方式により「10増10減」の改正公職選挙法が成立し、議員1人あたりの有権者数の較差を示す「1票の格差」が2倍未満に是正されます。

裁判の対象となった選挙はアダムズ方式を取り入れる前のものなので、選挙後の格差は是正されても選挙当時の格差を正当化できるのかというと微妙な気もします。

15名の裁判官中、14名は合憲との判断でしたが、憲法違反と反対意見をつけた裁判官も1名いました。

今後、アダムズ方式で区割りが行われるということは、合憲判断が続くのかもしれません。

高等裁判所でもそうでしたが「判決」の時は、10分程度で終了します。

裁判官が退廷したあとは、数名ごとに法廷を出てロッカーで荷物を出したのち、裁判所を出ました。

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